こんにちは!ブリコラブログ!です。
私は人事部門を含む間接部門で8年管理職を経験。年間約50件・累計約200件のハラスメント・不正関係の相談を受けて対応~解決した経験から、今回『パワハラ』の種類=6つの類型について解説します!
メモ
・「パワハラを受けた!」と感じた場合、この6類型どれに当てはまるかを確認する!
・その上で、パワハラが成立する3つの要素を同時に満たしているかを確認する!
コロナショックの影響で非常に閉塞感が高まる中、コミュニケーションの取り方にも変化が生じています。その影響で、ちょっとしたボタンの掛け違いでパワハラが起きてしまったり・・・ということも。。。とても悲しいですよね。無いに越したことは無い!
前回の記事で、パワハラが成立する「3つの要素」を解説しております。よろしければ、合わせてご確認ください!
-
-
『パワハラかも?』と思ったら確認!:成立基準と3つの定義
Contents
[再掲]パワーハラスメントが成立する『3つの要素』
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる・・・
①優越的な関係を背景とした言動であり、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害される という要素があることをいいます!
要素その❶:「優越的な関係を背景とした」言動とは?
職場で仕事をするにあたり、言動(「ことば」や「行動」)を受ける労働者・社員がハラスメントの行為者とされる労働者・社員(以下「行為者」)に対して抵抗や拒絶したりできない関係性をバックボーンとして行われるものをいいます!
要素その❷:「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは?
社会一般的な概念に照らしてみて、行為者からの言動が明らかに職場において業務上必要性がない、又はその態度やことば等が業務や指導上相応しくない状態ものを指します!
1)業務上明らかに必要性のない言動
2)業務の目的を大きく逸脱した言動
3)業務を遂行するための手段として不適当な言動
4)当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
など。
要素その❸:労働者の「就業環境が害される」とは?
行為者の言動(=「ことば」や「行動」)で、労働者・社員が「身体的」または、「精神的」に苦痛を与えられる状態。就業環境が不快になって、労働者・社員の能力発揮に重大な悪影響が生じるなど、就業する上で見過ごすことができないくらいの支障が生じることをいいます!
この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」つまり、「同様の状況で行為者からの言動を受けたときに、社会一般の労働者(=その職場にいる他の社員と同義でOK)が、就業する上で見過ごせないくらいの支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」が基準です。
パワーハラスメントの相談件数推移:都道府県労働局への相談数
都道府県労働局等に設置されている労働関係の相談コーナーに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加。平成24年度には、相談内容の中でトップとなり、引き続き増加傾向にあるようです・・・。

引用元)厚生労働省:データで見るハラスメント より
ちなみに、私が所属している会社でも、昨年度の倍の件数が発生している状況です・・・。
パワーハラスメント 『6つの類型』
パワハラに該当する3つの要素が同時に満たされている前提で、以下6つに分類されます。

引用元)厚生労働省「明るい職場応援団」より
❶身体的な攻撃
殴るや蹴るなどで、対象の社員に危害を加えたり物を投げつけるような行為によって部下や同僚を威嚇すること。また、従わせようとすることを言います。私が新卒で入社した会社は、当時まだオフィス内禁煙ではありませんでした(←今では信じられませんよね!!)
よって、上司のデスクには灰皿があったりしました・・・。
「昭和のドラマ」や「マンガの世界」で見たことはありますが、この灰皿を威嚇目的で部下に投げつける・・・というようなことがあれば、これは類型1つ目の「身体的な攻撃」に該当します。
責任者会議中に上司がペットボトルのフタを投げつけて、課長に当たる という場面を目の当たりにしたことがあります(・・・苦笑)。これも、発生頻度や上司/部下の関係性によっては、即「パワハラ」と認定されかねない内容ですね。
❷精神的な攻撃
職場で発生するパワーハラスメントで、(感覚値ではありますが)これが最も発生頻度が高い気がします。私の所属会社では、これが最多発生です。
・労働者を脅迫するような言動や人格を否定するような侮辱
・名誉棄損に当たる言葉、ひどい暴言
これらは、「精神的な攻撃」型のパワハラに該当すると考えられます。
朝礼や夕礼の場、周囲に社員が複数いる前で長時間に渡って業務のミスを指摘する・叱責するなどは、職場で起こりがちな精神的攻撃の例です。指導がNGなのではありません!相手に尊厳を示して、指導するにも個室やブースなど他の社員の目に触れないところできっちり行うといったことがなされるべきなのです!
業務上に関係するものだけでなく、例えば「相手の性的指向」に関するような侮辱的な言動も含まれるということも注意が必要です!
なお、性的指向以外の労働者の属性に関する侮辱的な言動も、職場におけるパワーハラスメントの3つの要素を満たす場合には、「精神的な攻撃」に該当します。
❸人間関係からの切り離し
定例のミーティングに、対象の社員だけ参加要請がない。また、課やチームの飲み会に誘われないといったことが「人間関係からの切り離し」に該当します。上司と仕事の進め方を巡って口論・対立したことをきっかけとし、同僚に話しかけても集団で無視される状態が続く・・・職場で孤立している・・・
このような事象も、当然NG行為ということになりますね。
❹過大な要求
新卒や中途入社の社員が仲間に加わった!ただ、その社員に対して必要な教育がないまま、達成が非現実的な程度の目標を課される。それを達成できなかったことに対して厳しく叱責される・・・。
また、業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制したり、仕事の妨害があった場合。これは、「過大な要求」に該当するパワハラといえます。
❺過小な要求
❹の過大な要求と、反対のケースですね。
業務上の合理性がなく、対象社員の能力や経験と大きく差異のある「程度の低い仕事(※)」を命じることや仕事を与えないことは、「過小な要求」型のパワハラに該当するといえます。
(※)に該当する過去の判例では、駐車車両に接触事故を起こしたバスの運転士に対して1か月に渡り「除草」(=営業所内の草むしり)を命じた事例があります。。①期限も示さずに毎日命じたこと ②命じた内容が過酷であったこと ③正当な目的から逸脱していたこと がポイントになり、パワハラに認定されました。
❻個の侵害
労働者を職場・業務時間外でも継続的に管理や監視したり、個人の私物を写真で撮影したり・・・また、例えば個人面談等で上司にだけ理解して分かっておいてもらいたくて話した不妊治療のことなどを、本人の承諾無しに周囲のメンバーへ開示した。。
これは、「個の侵害」に該当するパワハラといえます。プライバシーの保護・侵害と隣り合わせと考えると、理解しやすいと思います。
まとめ:もし、あなたが『パワハラ』に遭ったら!?
所属されている組織が会社の場合は、コンプライアンス関連部門や人事関連部門が相談窓口になっていると思います。解決を図るためにこちらへ相談していく訳ですが・・・
メモ
①被害に遭ったハラスメントについて、具体的・客観的事実を記録(メモ)しておく。「いつ」「だれから」「どのようなシチュエーションで発生し」「他にだれが見聞きしていたか?といった情報。
②パワハラの3要素を同時に満たしているか?
③②に加え、今回お伝えした6つの類型のどれに当てはまりそうか?また、当てはまるかどうかを、過去の裁判例と比較して確認しておく。
ということを準備しておいてください!
いかがでしたでしょうか?
年々増加している「パワハラ」。お読みいただいているあなたが何かしらの被害に遭わせている場合、厚生労働省が出している定義と照らし合わせてみる。客観的事実を収集しておくなど、しっかりと準備してから相談するようにしてください!!
早急な解決を願っております!