こんにちは!ブリコラブログ!です。
ー前編ーからの引き続きです!
この記事は、読者のみなさまが所属されている会社に『社員持ち株会』の制度が有り、「加入しようかどうしようか・・・」「資産づくりに有効なのだろうか・・・?」を悩んでらっしゃる方に気づきを得ていただく内容になっています!
ポイント
会社側は、なぜ持ち株会を運用するのか?会社が得るメリットは?
社員側が持ち株会に加入すると得られるメリットは?デメリットは?
早速解説してまいります、どうぞ最後までご覧ください!
[本日のテーマ・構成]
❶上場前なのか・上場後なのか?
・上場前であれば、キャピタルゲインの恩恵が受けられます。
※厳密にいえば、上場後でもキャピタルゲインは可能です。上場前の方が、享受できる恩恵/インパクトが大きいです。
前編でお伝えした私の例のように、上場前1株あたり購入金額が7,000円→上場時153,000円 という場合。この金額差で生じた利益を得ることが「キャピタルゲイン」ですね。
上場後は、株式市場で毎日値動きがする価格で購入することとなります。上記の例でいえば、1株を保有するまでに153,000円のお金と期間が必要と言えます。
株式を保有し配当金を受け取るまでには、153,000円を支払う必要があります。毎月10口 10,000円を支払ったとして、16か月必要な訳です。
乱暴な言い方をしますと、この16か月はお金が働く前の助走期間となります。ここをどう見るか?
※資産運用に「期間(時間)」が重要な要素であることの解説は、過去の記事をご参照ください!
❷購入補助(奨励金)の条件は?
・奨励金は、購入金額に対して〇%(会社により異なる)分を会社が上乗せしてくれる制度です!ありがたい!
・仮に、10口 10,000円の設定をしていて会社の奨励金が5%上乗せしてくれる場合。10,000円×1.05=10,500円分の株式が購入できるということです。
また、会社によっては奨励金割合が、「10%」や「20%」という例もあります。
自社の条件を、持ち株会の規定などで良くご確認ください!
※注意:
・持ち株会への加入を決めた社員から、こんなことを良く聞きます。。。
- 「銀行預金でさえ1%の利率もない時代に、10%の奨励金を支払ってくれる!」
- 「利率10%の金融商品は、世の中そうそうない!持ち株最高!」
発言者の真意を確認せねばなりません。・・が、この認識は正解なようで、実は間違っています!※詳細解説は、❹利回りでお伝えしますね。
❸売却時制限はどのようなものか?
・みなさんが保有することになった自社株。
それを、いざ証券会社を通じて株式市場で売却する!となった場合の「制限」や「ルール」を 必ず確認しておきましょう!
大抵の場合・・・
- 売却理由は?
- 何年の何月何日~何日のどの間で売却するのか?
といったことを会社は確認します。
株を売却したい社員は、会社の財務部などへ売却申請を出して“承認されたら売却が可能”ということになっているのではないでしょうか??
※なぜ、このようなルールが存在するのか?
一番大きな理由は、「インサイダー取引の防止」です。
例えば、みなさんが商品開発部門や事業企画部門に所属していると仮定します。
商品開発部門では、未発表の新技術・新特許を携えた新商品の発売情報などを職務上/業務の役割上知り得てしまいますね。
そんなスゴイ新商品が発売される!とプレスリリースされたら・・・
株式市場は反応して「あの会社の株を買おう!新商品がでたら、会社が儲かるからなぁ」ということで、株価上昇の動きに直結します。
世間一般の方々は、プレスリリースされて初めてこの事実を知りますが、
その新商品を販売する会社の社員の方は、市場よりも先にこの情報をいち早く知ることになりますよね。
すると・・・
- 「新商品発売で株価が上がるのは目に見えている!自社株を多めに買っておこう!」
- 「自社株を多めに買ったら、株価が上がったタイミングで売って利益を得よう!」
といった不正につながりかねません。
これが正に、インサイダー取引。会社はこれを防ぎたいのです!
別の観点で検証!
インサイダー取引を、会社としては防止したい。当然ですよね??
ただ一方で見方を変えると、株を保有する社員は「好きなタイミングで株を売れない」ということも言えます。
これは、場合によって大きな足かせになりかねません。
株式は日々市場で売買されていて、常に値動きしています。
ただでさえ“いつ売るのか?” “今でしょ!(古い)”を意思決定するのが非常に難しいのです。。
売りたいと思ったタイミングの株価が3,000円だった。
でも会社の承認が、「申請から2週間後での売却なら可」 だったという場合。
その2週間後の金額が上がっているか・下がっているかは誰にも分らない・・。
もしかしたら、会社が事故をや不祥事を起こしてしまい株価が1,500円になった、、、という可能性もあり得ます。
まぁ、そのときには売らなければ良いだけの話ですが。
しかしながら、何かしらの理由で売りたいと思っていたことが結果的に実現しなくなるので、その点はストレスになろうかと思います。
❹利回りはどうか?
最重要ポイントの一つです!
❷でお伝えしていた詳細解説をする前に、そもそも「配当利回りとは?」を説明します。
※引用元:SMBC日興証券 さま)
1株あたりの年間配当金を株式の取得(購入)額で割って100を掛けた数値ですね。
例をあげて、もう少し詳しくみていきましょう!
- 月々の株価が、(①)
- 購入の為にあなた毎月支払う金額(給与天引き額)が、(②)
- 会社が追加してくれる購入の奨励金も加えた、株の購入額が(③)※②+奨励金=③
という具合に見てください。
③がその月の株式購入可能な金額ですので、該当月の株価で割ると購入できる株式数がでます。(④)
※「1月なら、4株購入できた!」 ということですね。
また、表の一番右をご覧ください。株価(①)の一番右側に3,133円とあります。
これは、年間を通じた「1株あたりの平均取得単価」 となります。株価が高いときに買ったり逆に安い時に買ったりしていますので、それを均した金額。平均値ですね。
配当金は企業の業績や配当の考え方により金額が変動しますので、ここでは一旦1株あたり年間70円の配当が出るとします。
この株式の年間配当利回りは・・・
- 年間配当金額 70円/1株 ÷ 1株あたりの平均取得単価 3,133円 × 100 = 2.23%
会社が出してくれる奨励金が10%だから、利回りが10%の金融商品なんだ!ではないことが理解いただけたかと思います!
検証!実際に投資した金額に対するリターンは??
分かりやすいように、同じ例でみていきます!
この1年間で支払った金額は、合計120,000円ですね。※奨励金は会社の負担ですので、みなさまが支払った金額には加えません。
年間の配当金額は、1株あたり70円でした。この例では年間で43株保有できましたので、
- 43株 × 70円/1株 = 3,010円の配当金
となります。
3,010円の配当金 ÷ 年間の支払い額 120,000円 × 100 = 2.5%のリターン
ということが言えます。これが有効だとみるかどうか?が意思決定のポイントです。
もしかしたら、年間1株70円の配当が出ない可能性もありますし、業績が良ければ70円以上となることもあります。
投資の世界では、“必ず予測できる” というものはありません!!
リスクなく予測できると言う人が出てきたら、それは確実に詐欺ですね・・(笑)
みなさんの会社が上場後でしたら、会社のHPなどで株主向けに配当金のデータ等を必ず掲載しています(IR情報というものですね)。
配当金の過去実績~推移、今後の予測、実際に配当金を受け取れることになるまでの期間を勘案して、みなさんの投資スタイル・リスクの取り方に十分見合うかどうか?をじっくり見極めて最終意思決定をされると良いでしょう!
『持ち株会』メリット・デメリット:まとめ
- 上場前に持ち株会へ加入できる場合、上場時のキャピタルゲイン威力が大きい!
- 持ち株購入の奨励金は、強い味方。ですが、奨励金の%=利回りではないことを認識する!
- 配当利回りだけでなく、実際の年間投資金額に対する配当金リターン割合も確認しておく!
いかがでしたでしょうか?
制度には、必ず「功・罪」「メリット・デメリット」がありますね。
持ち株会制度を資産形成手段として検討されている方への何かしらの気づきになればうれしいです。
次回以降の「ブリコラ!」にも、どうぞご期待ください!
最後までご覧いただきありがとうございました!